本ブログは、エックスサーバー株式会社の「エックスサーバー(XSERVER)」を利用しています。かれこれ数年、エックスサーバーでブログを続けていますが、とても安定しているので満足。
しかし、ふと思います。
「Wordpress(ワードプレス)のブログだったら、wpX Speedの方が良かったのかな…?」
今のところエックスサーバーでのブログ運営に満足していますが、ではこれからブログを始めるならどちらが良いか?ということを、エックスサーバーとwpXの違いを比較しながら検討してみました。
エックスサーバーとwpX Speedの特徴
まず「エックスサーバー」と「wpX Speed」の特徴について。両者はどちらも、エックスサーバー株式会社の運営するレンタルサーバーです。
その特徴をざっくりまとめると、
- エックスサーバーもwpX Speed、どちらでもWordPressブログの運用が可能
- エックスサーバーはWordPress以外のWEBコンテンツも公開できる
- wpX SpeedはWordPressに特化しており、その分WordPressのチューニングに力を注いでいる
といったところ。その中でも大きな違いは、「WordPress専用かどうか」です。以下、比較のために、両者の違いをもう少しだけ細かく見てみます。
エックスサーバー(XSERVER)について
エックスサーバーは、「高速・多機能・安定性」が売りのレンタルサーバーサービス。国内シェアNo.1、サービス開始より17年超、運用サイト数180万件以上(2020年12月現在)、という実績のあるサービスです。
PHP(WordPressを動かす言語)のこまめなバージョンアップ、高速・安定のWebサーバー「nginx」の採用、サイト高速化のための「Xアクセラレータ Ver.2」の導入など、サーバーの安定化・高速化に役立つ技術を随時採用しています。
また「Wordpress簡単インストール」や「WordPress簡単移行」など、WordPressの設置・移行が容易に行える機能を提供。2020年にはさらに、「WordPressクイックスタート」機能を開始。
- レンタルサーバーの本契約
- 独自ドメインの取得・設置
- WordPressのインストール
をワンステップで行うことができるようになり、より簡単にWordPressブログが始められるようになりました。
ほか、Wordpress以外のCMSや独自プログラム、HTMLで作成したサイトを設置することが可能。WEBコンテンツに関して多彩な利用ができます。
公式サイト>> エックスサーバー
wpX Speedについて
一方のwpX Speedについて。
運営会社はエックスサーバーと同じ、エックスサーバー株式会社。ですがエックスサーバーと異なり、WordPressでのブログ運用に特化している、というのが、wpX Speedの最大の特徴です。
使えるCMSはWordPressのみという制限がある反面、エックスサーバーと比較して、WordPressでのブログ運用がスムーズになるようなスペックが備わっています。
また「wpXレンタルサーバー→wpX Speed」というサービスの刷新に伴い、ディスク容量のアップや高速化、料金体系の見直しなど、大幅な性能向上が図られています。
なおエックスサーバーが3プラン(X10・X20・X30)なのに対し、wpX Speedは7プラン(W1~W7)。料金も個人で使うレンタルサーバーとしては比較的お高め(W7プランでは最大月額料金(上限)が80,000円)で、「個人からプロまで幅広く使えるレンタルサーバー」と言えます。
公式サイト>> wpX Speed
エックスサーバーとwpX Speedの主な性能比較
次にエックスサーバーとwpX Speedの、主な仕様を比較してみます。
X10プランとW1プランの比較
まず価格帯の近い+料金的に初心者向けである、2つのプランを比較してみます。
エックスサーバーはX10プラン、wpX SpeedはW1プラン。それぞれサービスの最下位プランであり、また月額費用が1,000円程度となっています。
なお、下記表に記載の月額費用は「税別」です。またエックスサーバーの月額費用は12ヶ月契約をした場合の料金です。
エックスサーバー(X10) | wpX Speed(W1) | |
初期費用 | 3,000円 | なし |
月額費用 | 1,000円 | 上限1,200円 (2円/時) |
無料お試し期間 | 10日間 | なし |
ディスクスペース | 200GB | 200GB |
データベース(MySQL) | 無制限 | 無制限 |
マルチドメイン | 無制限 | 無制限 |
サブドメイン | 設定可能 | 無制限 |
転送量目安 | 300GB/日 | 2.5TB/月 (日換算・約83GB) |
自動バックアップ | 1日1回、14日分 (メールは7日分) | 1日1回、7日分 |
WordPressクイックスタート | あり | なし |
WordPress簡単インストール | あり | あり |
無料独自SSL | あり | あり |
Webフォント設定 | あり | あり |
FTP | 接続可能 | あり |
PHP | PHP7/PHP5 | 7.4.x/7.3.x/7.2.x |
Cron | 実行可能 | 不可 |
メールアカウント数 | 無制限 | 無制限 |
Webメール | あり | あり |
サポート(メール) | あり | あり |
サポート(電話) | あり | あり |
上記をもとに、気になる部分のスペックを見ていきます。
月額費用・初期費用
まずはレンタルサーバーの運用コストについて。エックスサーバーの月額費用は、切りの良い1,000円(※12ヶ月契約の場合)。同業他社と比べて平均的な価格設定です。
一方のwpX Speedは「1時間あたり2円 / 上限1,200円」という、変動制の料金設定。これはサービス開始時から1時間ごとに2円の料金が発生するということ。例えば一ヶ月利用したとすると、「2円✕24時間✕30日間=1,440円」という計算になります。
ですが上限が設定されているので、それ以上は料金が発生しません(W1の場合は1,200円)。メリットとしては、月の途中から契約しても、実質日割り感覚ではじめられる、ということでしょうか。
初期費用は、エックスサーバーが3,000円(税抜)。一方のwpX Speedは初期費用なし。お得ですが、月額費用を考えると、長期運用ではエックスサーバーの方が安くなります。
が、wpX SpeedはWordPressブログ運用が捗るスペックが多数導入されているので、それを考えるとスペックへの対価、と考えた方が良いかも。なおエックスサーバーには、無料お試し期間10日間が設定されています。
ディスク容量(ディスクスペース)
ディスク容量は、エックスサーバー(X10)、wpX Speed(W1)とも、同等の200GB。これは通常のブログならば、必要十分なディスクスペースです。
なおエックスサーバー・wpX Speedとも、SSDの処理性能を引き出すNVMeインターフェースを採用。オールSSDやピュアSSDと呼ばれる環境よりも、読み込み速度が向上しています。
転送量
「転送量」とは、レンタルサーバーとクライアント(ユーザー)間のデータ通信量を指すもの。エックスサーバーは一日あたり300GB、月換算にするとざっくり9TB。一方のwpX Speedは、一ヶ月あたり2.5TBというスペックが公開されています。
…と言われても、ピンとこないですよね。ではブログのアクセスでどのくらい転送量が発生するか、ということを、めちゃくちゃざっくり計算してみましょう。仮に1ページの容量が1MBあり、一日PVが1,000あったとすると、一日の転送量は約1GBということになります。
…余裕ですね。ページ容量・PVとも倍の数値だったとしても、約4GB。転送量の上限については、エックスサーバー・wpXともそんなに心配する必要がないでしょう。
何かの拍子にバズって瞬間的にアクセスが集中する場合でも、エックスサーバー・wpX Speedとも充分に対応できる処理性能を備えています。
なお参考までに、アクセス負荷対策としてエックスサーバーは、Webサイトの表示速度向上・同時アクセス数を拡張する独自機能「Xアクセラレータ Ver.2」を提供しています。
一方のwpX Speedは、wpXクラウドと比較してPHPプログラムの処理速度を最大10倍まで向上させる「PHP-FPMモード」を採用。また「オートスケール設定」をONにすれば、サーバーへの負荷を検知して自動的にリソースが多いプランに変更、動作・表示を安定させる、といった対応ができます(※作動時は時間あたりの料金が変わります)。
どちらを選ぶ?
以上、エックスサーバーとwpX Speedの特徴・性能の比較でした。ではこれからWordPressブログを始めるとした場合、どちらを選んだ方が良いのか?
難しいところですが、個人的にオススメしたいのはやはり「エックスサーバー」です。
手頃な月額料金や、長年利用していて感じる安心感・安定感がその理由。またこれからブログを始められる方には、独自ドメインを利用したWordPressブログがサクッと設置できる「WordPressクイックスタート」機能が便利だと思います。
またエックスサーバーでは、WordPressブログ以外のCMSやコンテンツも設置可能なので、「遊び倒せるレンタルサーバー」としても魅力的。もちろんスペックも標準以上のものを持っています。
もちろんWordPressブログに特化しているという、wpX Speedの性能は魅力的。ですが月額料金含め、初めてのレンタルサーバーとしてはちょっとオーバースペックかな?と感じます。
なおエックスサーバー・wpX Speedのいずれを使うにしても、両サーバーとも「WordPress簡単移行」機能を提供しています。以前よりもWordPressの引っ越しが容易になりましたので、将来的に移転をする場合でも困らないのではないでしょうか。
まとめ
以上、レンタルサーバー「エックスサーバー」と「wpX Speed」の比較でした。なお本記事では両者の比較でしたが、レンタルサーバーでできることは他にもあります。
せっかく有料のサービスを使うのだから、レンタルサーバーで出来ることを目いっぱい楽しんでみてください。
最後、ここでご紹介したレンタルサーバーのスペックは、随時アップデートされる可能性があります(エックスサーバー系は、どんどん環境が良くなっていきます)。最新のサーバー情報・機能などについては、公式サイトで確認してみてください。
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