AmazonのKindleはじめ電子書籍サイトの数が増え、電子書籍での読書もすっかり一般的になりました。
そんな電子書籍サービスの一部では、月額定額料金で電子書籍が「読み放題」になる、いわゆる「サブスクリプション」のサービスを実施。「販売」と「読み放題」を同時に提供しているサービスもあれば、「読み放題専門」のサービスもあります。
そんな定額読み放題サービス、上手に利用すればとても便利ですが、電子書籍の個別購入との違いがわかりにくい、という方もいるかもしれません。
そこで本記事では、電子書籍が定額読み放題で楽しめるサブスクリプション・サービスのメリット・デメリットなどをまとめてみました。
なおサービス内容については、記事作成時に調査したものです。ご利用時にはサービスの提供元にて、最新の内容をご確認ください。
電子書籍の定額読み放題とは?
電子書籍の定額読み放題サービス(書籍のサブスクリプションサービス)とは、
「サービスによって決められた定額料金で、期間内ならば対象の電子書籍を好きなだけ読める」
というサービスです。例えば月額1,000円のサービスならば、1ヶ月のうちに新たな課金をすることなく、対象の書籍を何冊でも読むことができます。
「電子書籍の個別購入」と異なり、対象電子書籍が読めるのは「契約をしている間だけ」ですが、その間は何度読んでも新たな料金が発生しない、というのがポイント。
定額読み放題を提供している電子書籍サービスの多くでは、「販売」と「定額読み放題」を併用していますが、「定額読み放題専門のサービス」も有ります。
また漫画・小説・実用書といった幅広いジャンルが対象のサービスもあれば、「雑誌専門」のように特定のジャンルに特化した読み放題サービスも存在します。
なお利用にあたっては、ストリーミングでインターネットへの接続が必須なもの、ダウンロード可・オフラインでも読書が可能なもの、といろいろあり、サービスによって提供形態が異なります。
定額読み放題のメリット
それでは以下、定額読み放題サービスのメリット・デメリットを。まずはメリットから。
定額以外に新たな課金がない
定額読み放題サービスのメリットは、何と言っても「月額定額料金」なので、「新たな課金がない」こと。どれだけ何十冊・何百冊・何千冊の電子書籍を読んでも、新たな課金は必要ありません。
サービスにもよりますが、用意されているタイトルは、数千~数万件あるのもザラ。また書籍のラインナップは定期的に入れ替え・新規追加が行われるので、契約したけど読む本がなくなった、ということはほぼ無いと言っていいでしょう。
何度でも読める
サービスの契約中であれば、同じ書籍を何度読んでもOK。レンタル制の電子書籍ストアサービスのように、返したら読めなくなる、または追加料金が必要、ということがありません。
たくさんの本を読めば読むほど、電子書籍一冊にかける料金が実質安くなり、個別に電子書籍を購入するよりもお得感が生まれます。
お試し感覚で気軽に読める
読み放題サービスが便利なのは、試し読み感覚で気軽に電子書籍を読めること。
買おうかどうか迷う本、ってありますよね。そんな本も定額読み放題の対象になっていれば、新たに課金することなく読書可能。もちろん気に入ったならば、単品購入してもOK。
また普段読まないジャンルの書籍や、買うと場所を取る雑誌類などを読むのにも適しています。
読み放題のデメリット
続いて定額読み放題サービスのデメリットまとめです。
超人気作品は対象外
定額読み放題の対象となっている電子書籍は、電子書籍全体から見ればごく一部なので、全ての本が読めるわけではありません。特に個別の売上が見込める超人気作品は、ラインナップ外であることも。
ただストア・作品によっては、シリーズものの漫画や小説の序盤の巻が無料で読めることがあります。また最近はAmazonの定額読み放題サービス「Kindle Unlimited」のように、人気作品やベストセラーが読み放題対象にラインナップされる場合もあります。こまめにチェックすると、意外な掘り出し物が読めるかも。
契約を終えれば読めなくなる
読み放題サービスの利用契約を終了すれば、気にいっていた電子書籍でも読めなくなります。また読み放題対象作品の入れ替えによって読めなくなるケースも。
これが個別の単行本購入とは大きく異なるところ。もう一度お気に入りの電子書籍を読みたいという場合は、個別の購入が必要になります。
と言ってもこれは、その本を気にっているならば「個別に買えばよい」という話でもあります。また試し読み・ヒマつぶし、という感覚で定額読み放題を利用するのであれば、これらのデメリットは特に気にならないかもしれません。
お得な利用方法
以上のメリット・デメリットを踏まえた、定額読み放題サービスのお得な利用方法です。
お試し期間をフル活用
多くの読み放題サービスでは、数週間~30日間程度の無料お試し期間が設定されています。まずはその期間にサービスを利用してみて、アプリの使い心地、パソコン(ブラウザ)で読めるか、オフラインで利用できるか…などなど、徹底的に使い具合を試してみましょう。
自分の閲覧環境や、使い方のスタイル、また読みたい本のジャンルによって、サービスの合う・合わないが出てくるもの。お試し期間にサービスを使い倒して、これならば使い続けたい!と感じるものを継続すると良いでしょう。
使わない時は休止する
ぶっちゃけ、「使わない時はやめる(休止する)」。これに限ります。あと「読みたい電子書籍が一定量ある」時にだけ使うと便利。読みたい本が無い時に課金だけ続けるのは、避けたいところ。
ラインナップは定期的に入れ替わることがあるので、休止したあとにまた加入してもいいな、と感じたら、サービスを再開すると良いでしょう。読みたい本があるのを確認してから課金すると、よりお得に利用できます。
普段読まないジャンルの本を読む
普段読まないジャンルの本をひたすら読む、というのが、実は一番オトクな使い方なんじゃないかと、個人的には思っています。
普段はあまり手を出さないジャンルの本も、定額読み放題なら課金することなく読書可能。むしろ読まないと損!意外な発見もあって楽しいですよ。
定額読み放題サービス例
以下、電子書籍の定額読み放題サービスを提供しているサービスの一例です。
各サービスによって料金・提供書籍など形態が異なります。読みたいジャンルや利用方法によって、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
Kindle Unlimited
名称 | Kindle Unlimited |
提供元 | amazon.co.jp |
月額料金 | 980円 |
対象 | マンガ・雑誌・一般書籍その他電子書籍全般 |
無料期間 | 30日 |
Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」。
魅力はなんと言っても、Kindleサービスの提供する豊富な電子書籍コンテンツ。漫画・雑誌・小説・実用書・写真集ほか、多彩なジャンルの書籍が読み放題の対象。
最近は特にKADOKAWAや小学館などが、ベストセラーを始めとした人気書籍をラインナップに投入する傾向あり。Kindleでしか配信されていないコンテンツもあります。
またスマホ・タブレット・パソコンだけではなく、Kindle PaperwhiteなどのKindle端末で利用できるのも、他にはない特徴。初回30日間は無料で利用できるので、ぜひラインナップをチェックしてみてください。
ブック放題(読み放題プレミアム)
名称 | ブック放題(読み放題プレミアム) |
提供元 | 株式会社ビューン |
月額料金 | 500円(税抜) |
対象 | マンガ・雑誌 |
無料期間 | 初回1ヶ月無料 |
「ブック放題」は、マンガ30,000冊以上、雑誌350誌以上が、月額500円(税抜)で読み放題となるサービス。「漫画+雑誌」と、ジャンルはかなり割り切っていますが、その分、各ジャンルで読める書籍は充実しています。
雑誌ジャンルの「総合・ビジネス」「趣味・エンタメ」「スポーツ・アウトドア」ほか、ファッション・グルメ・旅行系の雑誌も充実。特に旅行系は「るるぶ」が揃っていて、これらがほぼワンコインで読める、というのはなかなかのもの。旅行の予定がある時に加入しても良いかも。
漫画も少年・少女向け、青年・女性向けほか、大人向けジャンルもあり。パソコンでもブラウザからすぐに読めるので、大きい画面でサクッと読書を楽しみたい、という方に便利。
楽天マガジン
名称 | 楽天マガジン |
提供元 | 楽天 |
月額料金 | 月額プラン:380円(税抜)/月 年額プラン:3.600円(税抜)/年 |
対象 | 雑誌全般(別冊・ムック含む) |
無料期間 | 初回31日間無料 |
楽天の雑誌専門読み放題サービス「楽天マガジン」。月額380円(税抜)というリーズナブルな価格ながら、500誌以上の雑誌(別冊・ムック含む)が読めるというボリュームのあるサービス。
スマホ・タブレットのほかに、パソコンのブラウザでも利用可能。雑誌を大きな画面で楽しむことができます。一つのアカウントで5台まで利用できるので、在宅時や外出時などで端末を分けて使えるのも便利。
オフラインでの利用も可能なので、ネットに接続できない時でもダウンロードしておいた書籍を読めます。
楽天のサービスということで、もちろん楽天ポイントが使えるのもお得。月額プランと比べて料金が割引される「年額プラン」も用意されています。無料お試し期間も31日間とたっぷりあるので、じっくりお試しできるのが嬉しいところ。
BOOK☆WALKER
名称 | BOOK☆WALKER |
提供元 | 株式会社ブックウォーカー(KADOKAWA系列) |
月額料金 | マンガ・雑誌 読み放題:760円(税抜) 角川文庫・ラノベ 読み放題:760円(税抜) |
対象 | それぞれのプランに表記のジャンル |
無料期間 | ― |
KADOKAWA系列の株式会社ブックウォーカーが運営する電子書籍サービス「BOOK☆WALKER」。以前のマンガ・雑誌読み放題サービスにかわり、新たに「マンガ・雑誌 読み放題」と「角川文庫・ラノベ 読み放題」という新サービスが開始されています。
「マンガ・雑誌 読み放題」コースは、70誌以上のマンガ雑誌とマンガ単行本15,000冊以上が対象。
「角川文庫・ラノベ 読み放題」コースは、KADOKAWAの文芸小説やライトノベル10,000冊以上(ライトノベル8,000冊以上+文庫2,000冊以上)が対象。
文芸・ライトノベル・コミック雑誌ジャンルという、エンタメに強いKADOKAWAのラインナップを存分に活かしたサービス。特に「角川文庫・ラノベ 読み放題」は、小説・ラノベにジャンルを絞ったとてもユニークなものです。
人気シリーズやアニメ化作品の原作などが月額固定料金で読み放題、というのはサブスクリプション・サービスの中でも変わり種。多読派の方にはかなり!お得感が高いのではないでしょうか。
コミックシーモア
名称 | コミックシーモア |
提供元 | エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社 |
月額料金 | 読み放題フル:1,480円(税込) 読み放題ライト:780円(税込) |
対象 | マンガ |
無料期間 | 7日 |
NTT系列のエヌ・ティ・ティ・ソルマーレが運営する電子書籍サービス「コミックシーモア」。マンガの読み放題サービスとして、「読み放題フル」と「読み放題ライト」が提供されています。
「読み放題フル」と「読み放題ライト」の大きな違いは、大人向けのマンガが読み放題対象になること。
読み放題ライトでは、少年マンガ・青年マンガ・少女マンガなどが対象。フルではそれにライトノベル・BL・TL・オトナコミックジャンルが追加され、対象冊数も大幅に増えます。
っていうかどんだけ大人向けジャンル多いねん(笑)。
「読み放題フル」は「読み放題ライト」のほぼ倍額ですが、読める電子書籍のジャンルが大きく増え、冊数は倍以上に。読み放題を充分に楽しむためにはフルがおすすめ。
まとめ
以上、電子書籍の定額読み放題サービスについてメリット・デメリットと、読み放題サービスのご紹介でした。
一口に定額読み放題といっても、いろいろな形式のサービスが存在しています。それぞれの長所・短所を理解すれば、よりお得に電子誌書籍を楽しめるでしょう。
個別購入と併用したり、いろんな読み放題サービスを渡り歩いて使い心地を試したり。スタイルに合ったサービスを探してみてください。
個人的には「雑誌の定額読み放題」がオススメ。旬のネタが詰まった雑誌を定額料金で読めて、読んだあとも雑誌を捨てる手間が無い!というのが便利です。
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