2021年、レンタルサーバー大手のエックスサーバー株式会社が、新サービス「シン・レンタルサーバー」の提供を開始しました(※)。
同社の個人ユーザー向けのレンタルサーバーサービスとしては、「エックスサーバー(XServer)」「wpX Speed」に次ぐ、第三のサービスです。
シン・レンタルサーバーは公式サイトに記載されている「エックスサーバーの新たなカタチ」というキャッチコピーのように、エックスサーバーに近いサービス。ですが「シン・レンタルサーバーはエックスサーバーとは何が違うの?」が気になるところ。
というわけで本記事では「シン・レンタルサーバー」の概要と、本ブログが利用しているエックスサーバーとの比較・違いをまとめてみました。
※シン・レンタルサーバーは2024年より、エックスサーバー株式会社のグループ会社「シンクラウド株式会社」の運営となっています。
シン・レンタルサーバーとエックスサーバーの主な違い
レンタルサーバー「シン・レンタルサーバー」は、同系列のサービス「エックスサーバー」のシステムをベースとしたサービスで、エックスサーバーに超高速WordPress実行環境「KUSANAGI※」の技術を導入しています。
※KUSANAGIはプライム・ストラテジー社の提供する超高速CMS実行環境です。公式サイトはこちら。
エックスサーバーとの大きな違いとしては、KUSANAGIとの技術提携で得られる高速化技術ほか、新技術をエックスサーバーに先駆けて導入していること。
また1ユーザー当たりのCPU/メモリリソースの割り当てを厳格に管理。サーバーを共有する他ユーザーの利用状況に影響されない、安定した環境が提供されています。
逆にエックスサーバーは「安定性とアクセス耐性に重点を置いたサービス」。最新機能などの採用には慎重な検討が図られ、「安定したレンタルサーバー環境」が優先されています。
スペック比較
シン・レンタルサーバーとエックスサーバーの公開スペック比較です。
シン・レンタルサーバーからは「ベーシック」「スタンダード」の2プラン、エックスサーバーからは基本的なプラン「スタンダード」を掲載しています。
個人ユースとしては料金・スペックを考慮すると
- シン・レンタルサーバーならば「ベーシック」
- エックスサーバーならば「スタンダード」
で十分だと思いますが、シン・レンタルサーバー公式が「オススメ」と表記している「スタンダード」プランも、参考比較として掲載しておきます。
エックスサーバー 【スタンダード】 |
シン・ レンタルサーバー 【ベーシック】 |
シン・ レンタルサーバー 【スタンダード】 |
|
初期費用 | なし | なし | なし |
月額料金 | 990円~ (12ヶ月契約:1,100円) |
770円~ (12ヶ月契約:880円) |
1,540円~ (12ヶ月契約:1,780円) |
vCPU / メモリ | 128コア / 1TB | 128コア / 1TB | 128コア / 1TB |
vCPU | 6コア | 6コア | 8コア |
メモリ | 8GB | 8GB | 12GB |
ディスク容量 | 300GB | 300GB | 400GB |
転送量 | 無制限 | 900GB/日 | 1200GB/日 |
電話・メールサポート | あり | あり | あり |
独自ドメイン 永久無料特典 |
あり(条件あり) | あり | あり |
WordPress クイックスタート |
あり | あり | あり |
公表されているスペックとしては、シン・レンタルサーバー「ベーシック」とエックスサーバー「スタンダード」に大きな違いはありません。
料金的にはシン・レンタルサーバーの方がお得。手軽にWordPressブログを始められるでしょう。
また両サービスとも、レンタルサーバー契約をしている間は独自ドメインの料金が無料になる「独自ドメイン永久無料特典」を提供しています。(エックスサーバー「スタンダード」の場合はドメイン無料に条件があります。詳しくは公式サイトでご確認ください)。
なお上記は2022年3月時点の内容です。エックスサーバー系のスペックは随時更新される(スペックアップする)ので、最新の性能については公式サイトでのチェックをオススメします。
- 公式サイト:シン・レンタルサーバー
- 公式サイト:エックスサーバー
シン・レンタルサーバーのプラン・料金
シン・レンタルサーバーで提供されているプランと料金を、もう少し細かく見てみます。記載の料金については2021年12月現在の内容で、「税込み」「12ヶ月契約をした場合のもの」です。
シン・レンタルサーバーでは、下記の4プランが提供されています。
- ベーシック(880円/月)
- スタンダード(1,780円/月)
- プレミアム(3,560円/月)
- ビジネス(7,120円/月)
各プランの大きな違いは、CPU・メモリ容量・ディスクスペースなどで、上位プランほど高性能になります。
初期費用は無料で、10日間の無料お試し期間が用意されています。なお長期契約を選ぶと、上記金額よりもお得な価格になります(ベーシックなら36ヶ月契約で月額770円)。
参考までにエックスサーバーでは、下記の3プランが用意されています。
- スタンダードプラン(1,100円/月)
- プレミアムプラン(2,200円/月)
- ビジネスプラン(4,400円/月)
初期費用は無料で、シン・レンタルサーバーと同じく10日間の試用期間が設定されています。
個人ユースとしては、シン・レンタルサーバーならばベーシックプラン、エックスサーバーならばスタンダードプランと、月額1,000円前後のプランが契約の目安となるでしょう。
- 公式サイト:シン・レンタルサーバー
- 公式サイト:エックスサーバー
エックスサーバーと共通のメリット
以上がシン・レンタルサーバーの特徴、エックスサーバーとの違い、およびスペック比較ですが、基本的にはエックスサーバーの進化系ということで、同サービスと共通したメリットを持っています。
その一つが管理画面。シン・レンタルサーバーは、エックスサーバーと同じUIの管理ツールを採用。
エックスサーバーの管理ツールは日本語がベースとなっており、他社レンタルサーバーよりも大変使いやすいもの。管理人も長年エックスサーバーを使っていますが、とても便利です。
ほか、下記のような項目がエックスサーバーと共通の特徴。
- WordPressクイックスタート搭載
- Xアクセラレータ Ver.2(アクセス数拡張&サイト高速化)
- 128コアCPU&1TBメモリ
- オールNVMe RAID10構成
- 国内最大級のバックボーン回線に10Gbpsで直結
- nginx(エンジンエックス)採用
サーバー移転や各種設定を代行する「設定代行サービス」や、自動バックアップ機能も搭載。またWordPress以外のCMSが利用できるのも、エックスサーバーと同様です(ちなみにwpX SpeedはWordPress専用です)。
シン・レンタルサーバーとエックスサーバー、どちらを選ぶ?
以上がシン・レンタルサーバーとエックスサーバーの比較・違いですが、ではどちらを選んだら良いか?
兄弟的な関係にあるレンタルサーバーなので、基本的にはどちらを選んでも問題は無いでしょう。私も両方を利用していますが、WordPressによる記事作成のレスポンスや、ブログの表示速度等については、ほとんど違いを感じません。
その上で、
- 新しもの好きならばシン・レンタルサーバー
- 安定性を求めるならばエックスサーバー
といった「ユーザーの好み」が、選択の大きな決め手となりそうです。
特にシン・レンタルサーバーはエックスサーバーに先駆けて先進的な技術を導入する、という特徴のサービス。そこに面白みを感じるかどうか、はユーザーの性格に拠るところが大きいのでは。
両者を大雑把に分類すると「高速性重視のシン・レンタルサーバー」「安定性重視のエックスサーバー」ということになるでしょう。もちろん両者とも基本はエックスサーバーなので、高速性・安定性は共通です。
- 公式サイト:シン・レンタルサーバー
- 公式サイト:エックスサーバー
なお、アダルト系のコンテンツを公開する場合は、必然的にシン・レンタルサーバーが選択肢になります。エックスサーバーと同等の機能で、月額770円~から利用できる、というのは大きな魅力です。
まとめ
以上、レンタルサーバー「シン・レンタルサーバー」と「エックスサーバー」の比較でした。
記事内でもふれましたが、エックスサーバー系のレンタルサーバーは高性能なのはもちろん、管理ツールが使いやすいのが大きな特徴。わかりやすいヘルプも充実していて、初心者から経験者まで安心して使えるレンタルサーバーです。
またシン・レンタルサーバーとエックスサーバーは、両者とも「WordPressクイックスタート」機能を提供しています。これを使うことで
- レンタルサーバーの契約
- ドメイン名の取得・設定
- SSL(https)の設定
- WordPressの設置
が申し込み時にワンステップで完了します。
「申し込みの完了」と同時に「独自ドメインを使ったWordPressブログが完成している」という便利な機能。実際に使ってみましたが、ビックリするほど簡単にWordPressブログが完成します。
弊ブログでも「シン・レンタルサーバー+WordPressクイックスタート機能」でブログ開設する手順をご紹介していますので、ご参考になれば。
エックスサーバー公式サイトでも、「WordPressクイックスタート」を使ったブログ開設方法を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
なおエックスサーバーは随時スペックをアップデートしています。最新のサーバー情報・機能などについては、公式サイトをご覧ください。
- 公式サイト:シン・レンタルサーバー
- 公式サイト:エックスサーバー
コメント
シン・レンタルサーバーとエックスサーバー のWordPressによる記事作成のレスポンスやブログの表示速度等について、ほとんど違いを感じないと書かれていますが、それぞれご利用のプランを教えて頂けないでしょうか?
両者どちらを契約しようか迷っています。
よろしくお願いします。
エックスサーバー:スタンダード
シン・レンタルサーバー:ベーシック
をそれぞれ利用しております。
大変参考になる記事ありがとうございます。
一点教えていただきたく。
WordPressのプランは以下のどれを利用されていますか?
・パーソナル
・プレミアム
・ビジネス
・Eコマース
以上、よろしくお願いします。
WordPressはレンタルサーバーの機能でインストールできる無料のものを利用しています。